及源鋳造 [鉄鋳物] × ジャスパー・モリソン
及源鋳造 [鉄鋳物] × ジャスパー・モリソン
及源鋳造 [鉄鋳物] × ジャスパー・モリソン

JC01 及源鋳造 [鉄鋳物] × ジャスパー・モリソン

R&D 田渕智也・角田陽太

“Palma”

テーブルウェアとして輝く、“本物の道具”の魅力。

12世紀にまでその歴史を遡る岩手県水沢の南部鉄器。1852年に創業した及源鋳造は、伝統的製法をしっかりと守りながら、使い手を第一に考えた実直なものづくりを続け、国内外のモダンなライフスタイルや人々が希求するものに適応した製品を提供しようと、常に新しい試みを続けてきた。
プロの料理人からの評価も高い同社の製品に出会ったモリソンは、「南部鉄器は、本物の道具だ」と高く賞讃し、使い込むほどに、使う人の個性が映し出されるような、一生の道具としての在り方や、長い伝統の中で培ってきた機能美を、さらに高い次元へと引き上げられないか模索した。
数多くのデザインプロジェクトに参加しているモリソンだが、実は鉄鋳物を扱うのは初めてだという。及源鋳造の製造プロセスを丁寧にリサーチした上で、デザインの過程では細心の注意を払ってディテールを幾度も調整。現代の洗練された暮らしの空間に見事に調和する普遍性の高いシリーズ「Palma」(パルマ)を完成へと導いた。
南部鉄器の代表格で、楕円球が定番のかたちである鉄瓶を見て、モリソンはお湯を沸かす道具としてケトルの製作を提案。この提案は、伝統的な製法にはない新しいフォルムの追求となり、結果、及源鋳造は、これまでにはない割り型の開発を行うなど、試行錯誤を繰り返しながらも、既存の枠にとらわれない製法を編み出すことに成功した。
そのほか、ラインナップに「スパイス・コンテナー」を提案。テーブルウェアとしての南部鉄器の可能性を見いだし、キッチンだけでなく食卓の上へと領域を拡げた。この視座は革新的と言えるだろう。

Palma パルマ
ケトル W223×D180×H184mm
キャセロール [24cm] W316×D270×H96mm Oil Finished
蓋 238Φ×H47mm Oil finished
フライパン [24cm]   W462×D260×H78mm Oil finished
スパイス・コンテナー   W126×D118×D120mm Oil finished
グリルパン [27cm]   W350×D272×H47mm Oil finished

冬は-10℃以下の気温になる、岩手県水沢。

プロセス1

江戸時代末期に創業した南部鉄器の老舗、及源鋳造。

プロセス2

工場内には様々な道具が並ぶ。

プロセス3

溶解された鉄。

プロセス4

落着いて堂々とした趣き。

プロセス5

海外でも人気の高い鉄瓶。

プロセス6

及源鋳造Oigen

岩手県奥州市に所在。江戸時代末期(1852年)に創業した南部鉄器の企画・製造・販売会社。伝統的な技法での制作を手がけつつ、量産製造も行い、常に技術開発に注力し、進化するものづくりに努めている。現在は、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアでも販売をしている。東日本大震災では鉄を溶かす溶鉱炉が曲がるなどの被害を受けた。

ジャスパー・モリソンJasper Morrison

1959年、イギリス・ロンドン生まれ。一貫した謙虚な姿勢で、新しいデモクラティック・デザインを探求している。素材や製造過程にこだわった実用的かつ独創的なデザインは、インテリアの著名ブランドからの信頼が厚く、ヴィトラ、アリアス、アレッシィ、フロス等から製品を発表している。近年は、時計のラドーや、靴のカンペールからも展開し、幅広い分野に於いて活躍している。

R&D 田渕智也Tomoya Tabuchi

1974 年、栃木県生まれ。桑沢デザイン研究所を卒業後、家具メーカー入社。
インハウス・デザイナーとして、企画、デザイン、商品開発を担当する。
2010年、office for creationを設立。フリーランスで活動を開始。
家具などのプロダクトデザインを中心に、グラフィックデザインやアート・ディレクションも手掛けている。

R&D 角田陽太Yota Kakuda

デザイナー、1979 年、宮城県仙台市生まれ。2003 年に渡英し、ロンドンの様々なデザイン事務所で経験を積む。2007 年、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA) のデザインプロダクト学科修了。帰国後、無印良品のプロダクト・デザイナーを経て、2011年、YOTA KAKUDA DESIGN を設立。幅広い領域で活動している。

及源鋳造
及源鋳造
ジャスパー・モリソン
ジャスパー・モリソン
田渕智也・角田陽太
田渕智也・角田陽太